備えあれば憂いなし。災害時に役立つ電化製品を用意しておきましょう
今年も東日本大震災が発生した3月11日が近づいています。災害対策は転ばぬ先の杖。困っていない今のうちに準備しておき、いざというときも安心して生活したいものです。ここでは災害時に役立つ、6つの注目製品を紹介します。
災害発生時によくある困りごとのひとつが突然の停電。昼間なら懐中電灯がなくてもあわてるほどではないけれど、復帰までに時間がかかるようだと、電気に囲まれた現代社会ではいろいろな不都合が発生します。
そんなときでも、ポータブル電源があれば慌てなくても大丈夫。ポータブル電源は、いわば容量が超大きなモバイルバッテリー。あらかじめ充電しておけば、使いたい家電の電源ケーブルをAC出力ポートにつなぐだけでいつも通りに使えます。
ポータブル電源にはいろいろな製品がありますが、知名度やサポート体制など安心を基準に選ぶなら、アンカーの「Anker 535 Portable Power Station」がオススメ。価格は59,800円。
付属のACアダプタからの充電だけでなく、別売のUSB急速充電器からも同時に充電でき、2時間半(150分)で80%までスピーディに充電。別売のソーラーチャージャー(Anker PowerSolar 3-Port 100W/29,800円)による充電にも対応します。容量は16万mAh。
4つのACコンセントは家庭のコンセントと同じ純正弦波を採用しており、ACコンセントの最大出力および合計最大出力は500W。家電製品を長時間利用することになった場合でも家電に負荷を掛けないので安心です。さらに、Anker独自技術のPowerIQ 3.0(Gen2)を採用したUSB-Cポートや、3つのUSB-Aポート、シガーソケットも装備。一台で最大9つの機器に、合計716Wの出力で同時に充電/給電できます。
停電がしばらく続きそうなときも、本体前面のディスプレイに充電/給電可能な残り時間を表示するので、電力の計画的な利用を考えられます。さらに、周囲を照らせるLEDライトを本体に備えており、災害時には緊急の明かりにもなります。
夜に災害が発生したり停電が長引いたりする場合、持ち運びやすく光源としても使えるモバイルバッテリーがひとつあると安心感が違います。オススメは、室内はもちろん、アウトドアでも使いやすいエレコムの「DE-M21L-6700」。約305gと軽量ながら6,700mAhのバッテリーを内蔵した、LEDライト付きモバイルバッテリーです。価格は8,338円。
スタンドや磁石、三脚穴、吊り下げ用フックなどを備え、さまざまな場面で明かりを取れます。明るさは約65ルーメン〜約265ルーメンまで4段階で調整できるほか、モールス信号のSOSのパターンで点滅も可能。約65ルーメンで最長45時間点灯し続けます。
防塵防水のIP44にも対応しており、短時間の弱い雨の中なら問題なく持ち出せます。最大出力2.4Aで、コネクタは入力がUSB micro B、出力がUSB-A。本体サイズは約115×42×77mm(幅×奥行き×高さ)。
実はこの商品、2020年の記事でも紹介していますが、一般社団法人 防災安全協会が主催する「防災・防疫製品大賞2021」の「防災製品部門」において優秀賞を受賞しており、今回改めて取り上げました。
災害発生時、最も重要と言っても過言ではないのが「情報」です。災害の大きさや範囲などのすぐに知りたい情報はもちろん、復旧の情報や天気予報も見られるようにしておきたいもの。そんなときに便利なのが、充電しながら使えるテレビやラジオ。特に普段スマートフォンを使っていない高齢の両親に持っていてほしい一台と言えるでしょう。
山善の「JYTM-RTV430」は、コンデンサー充電池を採用し、約10年間電池交換やメンテナンスをしない“ほったらかし”でも充電可能なポータブルテレビ+ラジオ。実売価格は15,180円前後です。
4.3型画面でワンセグが見られ、音声だけの再生も可能。FM/AMラジオも受信できます(FM補完放送対応)。電源は単3形乾電池×3本、家庭用電源(AC100V)、モバイルバッテリー(USB micro B)のほか、ハンドルを使った手回し充電にも対応します。ワンセグを視聴した場合の動作可能時間は、手回し満充電で約5分、乾電池使用字で約12時間となっています。
本体には懐中電灯になるLEDライトを装備。モバイルバッテリーとしても使用でき、USB-A経由でスマホなどを充電できます。家族など周辺にいる人へ緊急を知らせたいときにはサイレンを鳴らせるのもユニークです。本体サイズは155×40×92mm(幅×奥行き×高さ)、重さは約370g(乾電池/ベルト含まず)。ベルト付きで持ち運びも容易です。
災害からの復旧に時間がかかる場合、食事のことも気を付けなければなりません。自動車が使えて、水が調達できるなら、おすすめしたいのが車載用に設計されたシガーソケットを電源にする炊飯器。市場にいくつかある中でも、サンコーの弁当箱型炊飯器「TKLUN21W」は、炊いたご飯をそのままの容器で食べられるのが便利です。価格は6,980円。
最大炊飯容量は1合(0.18L)。炊飯時間は半合で約25分、1合で約40分です。底面の高出力ヒーターで側面まで熱を伝える「かこみ炊き」により、ムラなくふっくら炊き上げます。
保温機能や空焚き防止機能も搭載。内釜はノンスティック加工で取り外しは不可で、お手入れは防水処理された本体ごと水で洗います。災害時ならずとも車に積んでおけば、アウトドアや旅行時の車中泊などで活躍しそうです。
大きな地震の被害には、電源を入れたままの電化製品から出火する電気火災(通電火災)もあります。地震で避難したあと家に戻ってみると、火事になっていたということがあるのです。これは避難時に家庭内の主幹ブレーカーを落としておけば防げますが、家具が倒れるような大地震のときはすみやかに家屋の外に出て身の安全を確保することが一番。ブレーカーまで気が回らないことも多いでしょう。
そんなときでも、震度5強相当の地震を検知すると主幹ブレーカーを自動で一括遮断して二次災害を防ぐ、大和電器の感震ブレーカー「震太郎」(X5029)を使っていれば安心です。価格は10,163円(Amazon.co.jpでの公式販売価格)。
設置工事は不要で、アースコードでアース端子とアースネジを接続してコンセントに差しておくだけ。設置時に動作確認のためのテスト機能も備えています。
最後に変わり種の災害対策器具もひとつ紹介しましょう。キングジムのマイク型拡声器「スピーカー付きマイク」(SPMC10)です。価格は33,000円。
災害時の誘導でも活躍する、ボタンひとつで使えるサイレン機能やホイッスル機能付き。普段は別途スピーカーを用意しなくても会議やプレゼンなどでマイクとして手軽に使え、いざ災害が起きたときには避難誘導などに使えるというわけです。家庭用というよりは、人を集める会場を持つ企業や学校、公共施設などで1台あると便利なアイテムと言えます。
側面に30×70mmのスピーカーを2基、底面に直径31mmのスピーカーを1基搭載し、こもりがちな声を空間全体に広げます。最大出力は15W。
電源はリチウムイオンポリマーバッテリーで、連続使用時間は約6時間、充電時間は約3時間(使用時間や充電時間は使用条件により変化)。充電用のUSB Type-C端子のほか、3.5mmステレオミニのアナログ音声入力も備えています。
停電が続くと、PCやスマホが充電できず、冷蔵庫の中のものも心配になってきます。電気を使う調理はできなくなるし、オール電化ならお風呂にも入れません。テレビやラジオで情報を得たり、夜には照明を使ったり、夏冬なら冷暖房も欲しくなります。災害時を考えると、私たちがいかに電気に囲まれ、電気に頼って生きているか気付かされます。
災害はいつやって来るか分かりません。いざというときに慌てず過ごせるよう、平時からの備えを忘れないようにしてください。
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