観光産業に限らず、インバウンド・アウトバウンド向けの事業を展開している企業はコロナ禍において特に大きな打撃を被っているが、この逆境をチャンスに変えようと動いている企業も少なくない。グローバルWiFiサービスを主たる事業として展開している株式会社ビジョンもその一社で、2022年にはグランピング事業に参入することを発表した。同社代表取締役社長兼CEOの佐野健一氏に現状や今後の展望について話を聞いた。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)
ビジョン代表取締役社長兼CEOの佐野健一氏。インタビューはオンラインで実施した。 -まずは貴社並びにご自身の紹介をお願いいたします。佐野健一氏(以下敬称略) 弊社は2021年6月に設立26年目に入ります。創業時から行っている祖業は、新設法人の立ち上げ時に必要な固定電話やビジネスフォン、インターネットやホームページ作成などの情報通信サービス事業です。
2010年に国内向けのWiFiレンタル事業を開始。さらに携帯電話を法人向けに販売していた関係で、世界中を行き来するお客様から海外で非常にお困りだという声を聞き、皆様に快適なネットワークを提供できないかと考え、2011年にビジョンモバイルのプロジェクトを立ち上げました。その頃、グローバルに展開していきたいという機運も高まっていた時期でもあったので、2012年2月に世界200以上の国と地域で安心安全に使えるWiFiルーターのレンタルサービスを「グローバルWiFi」としてスタートしました。
また、グローバルに展開していくために必要なブランド力や資金力を上げていくこと、さらに従業員の資産形成をしっかりやっていくことを踏まえ、2015年に東証マザーズに上場し、2016年に東証一部へ市場変更しました。
コロナ前の実績では、グローバルWiFi事業が約70%の売り上げを占める主力の事業で、次いで大きな割合を占めるのが創業時から続けている情報通信サービス事業でした。月間1,500社ほどがスタートアップのお客様として増え、累計20万社以上のお客様にご利用いただいています。
-1年以上コロナの影響が続いていますが、グローバルWiFi事業は売上げベースでどのくらい影響を受けていますでしょうか。佐野 グローバルWiFiはインバウンドとアウトバウンドに対応したサービスなので、国内のWiFiレンタルを除くと98%ほど下がっている状況です。
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