TVR Sシリーズを購入するなら、まずルーフを閉じて試乗し、異音がないか確かめる。V8エンジンは、全回転域を通じて勇ましいサウンドを響かせる。V6エンジンは気持ちよく吹け上がる。回転数が上がるほど、パワーが高まっていく。
どちらのエンジンも、トルクは太く柔軟。2.8L V6のギア駆動カムシャフトには、ノイズ対策としてファイバー製のギアが用いられ、破損するケースがある。アルミニウム製の対策ギアはあるが、若干うるさい。
2.9Lでは、チェーン駆動になった。いずれも、カムの摩耗で出力が落ちることはある。
V8エンジンは通常15psi、高速走行時には25psi以上の油圧が欲しい。V6エンジンは、さらに高圧。エンジンはリビルドが必要になるまで、24万kmから32万kmくらいは保つ。
2.8L V6の場合、無鉛ガソリンに対応していない。しかし、バルブシート・インサートが硬化するまでは、普通に使える。添加剤をガソリンに混ぜることで、対策も可能。
トランスミッションは堅牢で、不具合は生じにくい。変速がスムーズなことや、クラッチのつながりを確かめる。
サスペンションの劣化も、年式を考えれば当然。ドライビング体験の楽しさに影響が出る。ダンパーとブッシュ類、ステアリング系の交換は前提として、予算を見ておきたい。
ブレーキは、一部のクルマでリアがドラム。4輪ともにディスクなら、効きも素晴らしい。ガレージに長期保管されていたクルマの場合、シリンダーやピストンが固着しやすい。電気系統の確認も忘れずに。パワーウインドウは、特に確かめたい。
アウトリガーは特に傷みやすい。場所を問わず、パウダーコーティングが剥がれると錆びる。事前によく確認したい。アウトリガーの交換は、溶接ですべてのポイントを固定する必要がある。
塗装の状態より、グラスファイバーの状態が大切。沈み込みやひび割れ、星型のキズなどを観察して確かめる。塗装色のムラも確かめたい。グラスファイバーの修理と全塗装は、安くはない。
長期的にメンテナンスを受け続けていることを確かめたい。特にV8では、手入れが悪いとオーバーヒートやクーラントの漏れ、エンジンオイルの漏れ、ヘッドガスケットの破損などにつながる。
V6エンジンでは、部品が出てこない場合がある。手入れされていれば堅牢で、リビルドが必要になるまで長距離を走っているケースは少ない。アルミニウム製のV8エンジンは、V6より耐久性で劣る。
ラジエターの不調でオーバーヒートする例も。オイルとクーラントが混ざって乳化している場合は、その兆候の可能性がある。
ブッシュ類の劣化や、ダンパーのガス漏れを確かめる。中にはアフターマーケット製の強化版が入っていることも。ステアリングラックも摩耗する。すべて乗り心地やハンドリングに大きく影響する。
摩耗や破損などは珍しくない。部品がなくなっていたり、機能しない部分がないか、すべてを確かめる。細かな仕様変更は、同じモデルの生産途中でも、何度も重ねられている。
ソフトトップは水漏れすると、内装を湿らせる。2枚のハードパネルと、折りたたみ式のロールオーバーが備わり、シール周りの状態が良ければ水漏れしない。ハリも良い。
まとめ画像 TVR Sシリーズと新型グリフィス 全40枚
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