●知事
そういう中でございますが、まず、やはり申し上げなければならないのは、今の新型コロナの状況だろうというふうに思います。第6波の感染状況でございますけれども、それをちょっと我々としても分析をいたしております。現在、私ども全ゲノム解析をやっています。結構数が多くなりまして、L452Rのスクリーニングというのをやるんですが、それは今、県直営でやるなどちょっといろいろとストーリーが変わりつつありますけども、基本的には全てL452Rで確認をし、そして、オミクロンの疑いがあるというときには全ゲノム解析に回していくということを今、やってきているところでございまして、それで比較をしてみますと、なかなか他県、ここまで余裕がないかもしれませんが、本県のデータ、ですからあんまり感染が広がっていない、数が多くないということあるかもしれませんけれども、特徴が幾つか見えてきています。
それは、多くが県外由来というのが起因でありまして、家庭内ですとか、御友人ですとか、そういう会食でマスクを着用していない場面、つまり非常に親しい方々が出会ったようなところが実は大半でございます。それで、特にそういう方々が小さな空間の中で、それでみんなで賑やかにやる、非常に楽しい時間、これ、お正月休みなどもあったと思います。そういうときにオミクロン株が仮に紛れ込みますと一発でこれ広がるということであります。そういうわけでございまして、その94%が今のところオミクロンではないかと、それでほぼ100%です。
それで、これ、他県の状況もそうでありまして、恐らくL452Rのスクリーニングだとか、それからまたゲノム解析、これが進んできていまして、だんだんとやはりオミクロン[株]だということが確定的に言えるようになってきているところもあると思いますし、本県のようにまずさらになったところ、53日間ございませんでしたので、感染が。そういうところではゼロからスタートをします。一気にオミクロン[株]だけがこう広がるという形になりやすい。ですから、そうした抑えていたところは逆にオミクロン[株]が広がりやすいということもあるのかもしれません。
それで、オミクロン[株]の特徴としては本県のデータでございますけども、潜伏期間が2~3日と非常に短いです。それで、注意しなければならないのは、その2日や3日で発症ということがあるとしても、その前の段階が結構うつしやすいわけです。ですから、人と人とが出会いまして仮に感染者がおられて、お会いして親密な時間を過ごされると、それで、マスクがないという状態のときに感染を引き継ぐことになります。この引き継いだ感染、このバトンがひょっとすると翌日にも次の人に渡るということです。次の接触機会でどんどん広がっていくと。それで、これがこれまでのコロナ株よりもそのタイミングが非常に早い。これはやはり注意すべきではないかなと思います。
先般も[新型コロナウイルス感染症対策]分科会でこういう主旨を申し上げた、なかなかちょっと専門家の先生方、すぐにうんとは言ってくれないんですけれども、我々実務から見ていますと、もらった、すぐにうつしたというふうに考えないと説明がつかないケースがあるんですね。ですから、それがこの爆発的で、昨日も[全国]知事会で大阪府の吉村[洋文]知事が垂直に立ち上がると言っていましたけれども、そういう状況起きるのは一人が感染したとすると、それが今度次の人にうつすタイミングが早いので、その連鎖の時間が短いわけですね。ですから、爆発的に広がっていくというような危険がある、そういう性質があるのではないかなというふうに思います。
それで、この感染から発症まで約2~3日というのは、これ、先生方も言っていまして、政府の分科会でも脇田[隆字]先生が3日間平均だというふうに言っていました。今までプラスマイナス2日の間に、発症のプラスマイナス2日の間が一番感染力があると言われています。ですから、その感染力がある期間が極めて前に倒れているということはあるわけでありまして、これをやっぱりオミクロン[株]の特徴としては県民の皆様にもよく頭に入れておいたほうがいいのではないかなというふうに思います。
それから、連日のテレビだとか報道を見ていますと、何か無症状が多いという感覚を何か持ちやすいんですね。大したことないやというお話が多いわけでありますけども、実際は実に9割の方で症状が見られます。結構高熱出ます。38度、39度は平気で出るものだというふうに考えていただいたほうがいいと、それから、のどだとかせきだとか、そういうものがあると、ただ、香港の論文でも出ていますけれども、基本的には上気道の炎症だということでありまして、肺のほうに、肺胞における増殖速度というのは遅い可能性があるということでございまして、それが本県もそうですが、重症者が比較的少ないということであります。
ただ、中等症の1、即ち肺炎の症状が見られる方も本県、サンプルは少ないですが、その中でも2人は中等症の1ということであります。ただ、この中等症に進んだとしてもこれがまた軽症に移るということに今のところはなっていまして、中等症になられた方も軽症のほうに移られていますが、今、出入りがありまして、最終的に今現在では中等症1がお二人入院されているという状態であります。それで、よく言われる中等症の2、酸素の投与が必要という状況だとか、重症というのは本県でもまだ症例はないということであります。
ただ、これが大体こうブレイクスルー感染していますので、そのワクチン接種による重症化抑制効果なのか、それともこのウイルス自体の性質なのか、この辺は我々現場ではなかなか分かりかねるところであります。それで現場でつかんだデータとして、これが推定の感染経路であります。それで3分の1は御家庭内、家庭内感染ですね。次が会食だとか飲食店であります。会食っていうのはホームパーティー的なものも入っています。それで実はこのホームパーティー的なもの結構この正月休みとか、そういうときに行われておられるわけですよね。それで知り合いで集まりまして、うちでみんなで宴会しましょうと。それで実はそういうのが狭い空間ですから、そこで皆さんマスクを外されて、特に親しい方々、御家族連れで皆さんでわいわいやると。それで、こういうところではかなり、100%と言っていいぐらい広がりましたですね。そういうケースもありました。
ですから、そういうように、親密な親しい人たちのその楽しい時間を狙ってやってくるというのがこのオミクロン株の嫌らしさではないかと思います。それからそれに続くのが県外往来とか、職場内というものでございます。そういう意味で先般も海上保安庁の職場の中での一気に感染が広がったということもあります。やはり閉ざされた空間の中でいろいろと注意をしていても、どうしても感染しやすい環境ができるときがありまして、特にバックヤードとか、そうしたものは注意する必要があります。最近目立っているものには、スポーツのイベントを通じて他地域と交流をされる中で感染されるケース、これが目立っています。今日も集団的な感染が見られていまして、ただ、他県で起こったものなので本県としてはクラスター認定はいたしませんけれども、ただ、そうしたスポーツイベントで体育館のようなところがあると、そこの更衣室みたいなところは定員よりも多くの方々がみんなでやって来て、楽しい時間ですわ。それで他県の選手らと一緒にそういう交流があると。
それで、そんなようなことが実は感染を広げる最大のチャンスとオミクロン株は思っているかもしれないということですね。それで、興味深いのはこれです。Ct値と言われますものでありまして、本県これをずっと定常的に取ってきておりますし、他県でもこれ実は取っているはずのものであります。それで、ウイルスの量を調べるわけですね。それで、これが40、35というところから陽性になってくるということでありますが、R1という関東のほうでよく見られた株、それからアルファ株、それからデルタ株、オミクロン株、これを比較をしてみますと、ほぼこのデルタ株とアルファ株は同じようなウイルス量のように本県ではデータが出てきております。
つまり決して低いものはデルタ株のときやアルファ株のとき、この10とかこの辺まできてたんですね。それで、こういう非常に強いものよりも、どちらかというと平均によって、25前後ぐらいのところ、これも結構ウイルス量としては多いわけでありますけども、決してデルタ株を上回るようなことでもどうもないということであります。ただ、ちょっとそうやって我々実務で、現場で見ておりますので、学者さんだとか、テレビや新聞で流れてるのとちょっとイメージが違うかもしれませんが、実体はこうだということです。ですから、我々そのオミクロン株の実情に即した戦略的な対応をやっていかなきゃいけないということだと考えております。
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